廃棄物に価値を。現代美術家・平子雄一のソフビ150体が祝福するホリデー装飾を見に行こう。
街も華やぐホリデーシーズンが到来。東京・南青山の〈エイチ ビューティ&ユース〉でもホリデーシーズンのポップアップ『NOT TOO BAD』がスタートしたが、ここでは他とは一味違ったホリデーが体験できるかもしれない。
コラボレーターに迎えたのは、植物や自然と人間の共存をテーマに創作を続ける現代美術家平子雄一。現在は天王洲と六本木に拠点を置くギャラリー〈KOTARO NUKAGA〉のアーティストで、東京を拠点に、ロンドン、上海やソウルをはじめ国際的活動。植物や自然と人間の関係性の中に浮上する曖昧さや疑問をテーマに作品を制作している。
平子の絵画や装飾で埋め尽くされた『NOT TOO BAD』でも、そうした疑問をテーマに始動。昨今高まる持続可能社会やリサイクルの重要性に対する「今の状況は少しネガティブすぎるのではないか」と感じる平子が、”価値のなくなったものに、価値をもたらす”アプローチをポジティブに転換する。
たとえば、平子のキャラクターをモチーフにした半透明のソフビ《Seed Leaf 01》の中に詰め込まれた、ゴールドの不揃いの粒。宝物のようなこれは、平子氏自身が神奈川の海で拾い集めた海洋プラスチックをゴールドに装飾したもの。店内ではこのソフビが150体揃い、窓際でキラキラと煌めく圧巻のインスタレーションを見ることができる。
このほか、平子が選んだ古着にプリントやワッペンを用いてカスタマイズしたリメイクアパレルや、作品の中から飛び出したようなウッドチェアも登場。「廃棄物は僕たちの営みの証。進化と発展の成果。今の状況は、そんなに悪いもんじゃない」。ホリデーシーズンはそんな平子のメッセージが込められた心ときめく世界へ、出かけてみてはどうだろう。
~2022年12月25日。東京都港区南青山 3-14-17。TEL 03 6438 5230。