日立駅前に再びにぎわいを 商店街の路上にこたつやソファ 茨城
2日と3日、旧ヨーカドー隣のパティオモール商店街(茨城県日立市幸町)で行われたイベントは「リビングストリート 日立」。企画したのは、主に県北・県央地域で子供や子育て世代の支援活動を行う一般社団法人「まちのこ団」の代表、増田大和さん(30)だ。
「一過性のイベントではなく、継続的に人々が立ち寄れる、日常の一部となるような場所を作りたかった」と増田さん。オランダが発祥の「道路を車のためでなく、人が使える場所に変える」という考え方を参考に、商店街の中心に人工芝を敷き、その上にこたつや机、ソファなどを並べ、ハンモックもつるした。
特に人気だったのは、青空の下で暖を取れる3台のこたつ。家族連れや、若者らが代わる代わる足を入れ、用意されたゲームなどを楽しんだ。日立市の主婦(41)は「芝が敷いてあり、子供が自由に遊べるのがいい」と親子でリラックスした時を過ごした。
付近ではライブ演奏や、紙芝居といったパフォーマンスなども行われ、会場の盛り上げに一役買った。
隣の旧ヨーカドー店舗内では、増田さんらが企画した子供たちが職業体験をできる「こどものまち・ひたち」を同時開催。2つのイベントを行き来する親子らも多く、密にならないよう注意した運営の中で、1時間に最大約100人が滞在する盛況ぶりだった。
増田さんに今回のイベント開催を打診したのは、ヨーカドーの撤退後、周辺の商店主や事業者らで結成した「日立駅前地区活性化委員会」。委員長で、パティオモール商店会会長の佐藤洋一郎さん(62)は「人出の多さに驚いている。通りの真ん中に、こたつを置く発想は僕らにはなかった」と感心しきり。
「こうしたイベントが特に土日で目立つ消費者の市外流出を食い止め、ヨーカドーに代わるキーテナントが決まれば何より」と佐藤さん。増田さんは「月に一度くらい開けるようにしたい」と催しの定着化に意欲をみせた。