「金田一」にスポット、県内外のファン魅了 さいたま文学館の企画展が人気・埼玉
さいたま文学館は1月下旬に企画展「金田一耕助さん!埼玉で事件ですよ」を始めた。目玉は、金田一耕助が関わった全77の事件のうち唯一、県内が舞台となった「貸しボート十三号」の紹介だ。現在の戸田漕艇場(戸田市)付近の大学の艇庫などが描かれているという。
これを皮切りに、「本陣殺人事件」から「病院坂の首縊(くく)りの家」までを事件の発生順に見せていく。展示では原作本のほか、昨年新たに発見された横溝正史の取材ノートや直筆原稿も見どころだ。原作本の表紙カバー画の原画も特別公開している。
合わせて、原作本とともに映画やテレビドラマのシナリオも並べて展示し、内容の相違点を説明。金田一耕助を演じた俳優についても触れている。また併設の飲食店では、「貸しボート十三号」に登場したカレーを再現して提供している。
企画した学芸員の加藤光男さんによると、金田一耕助にゆかりのある岡山県など県外からもファンらが訪れているという。「推理小説の展覧会はあるが、金田一耕助に焦点を当てたものは珍しいと思う。純文学の展示ではないので、気軽に見に来てほしい」と話している。
3月12日まで。問い合わせは同館(048・789・1515)。
これに関連し、県立久喜図書館は資料展「『探偵小説』の時代」を開催している。今月12日まで、横溝正史の作品など明治から昭和の探偵小説と歴史資料などを紹介している。問い合わせは同図書館(0480・21・2659)。