藤井竜王「広瀬八段、充実した印象」、七番勝負は「挑戦者だった時と同じ気持ちで」
――決勝トーナメント開幕を前に、読売新聞に掲載された藤井竜王の挑戦者予想。永瀬拓矢王座を本命にあげられていましたが、広瀬八段が挑戦者になりました。
藤井 自分の予想は外れましたが、広瀬八段は竜王戦でも実績のある実力者なので、意外ということはありません。
――竜王戦本戦や挑戦者決定三番勝負で広瀬八段の将棋を見て、どのように感じましたか。
藤井 広瀬八段の竜王戦の対局を見ていると、タイムマネージメントが非常に巧みで、中盤から終盤にかけて、きれいに抜け出して勝っていることが多く、充実している印象を受けました。
――広瀬八段とは何度か対局されていますが、昔(2018年、19年あたり)と印象は変わっていますか。
藤井 広瀬八段とは1年近く対局がなくて、竜王戦七番勝負が久しぶりの対局になりますが、最近の広瀬八段の将棋を見ていると、終盤の切れ味はもちろんですが、序盤においても以前より作戦のクオリティーが上がっている印象を持っています。
――広瀬八段の中盤の形勢判断について、どのように見ていますか。
藤井 広瀬八段は終盤力の印象が強いですが、中盤の指し方もすごく巧みで、中盤から自玉と相手玉との距離感を見極めて指している印象があります。それが終盤の切れ味につながっていると思っています。
――今期の竜王戦七番勝負開催地で、楽しみな場所はありますか。
藤井 第1局のセルリアンタワー能楽堂、第2局の仁和寺は前期も経験のある対局場ですが、第3局(静岡県富士宮市の割烹(かっぽう)旅館たちばな)、第4局(京都府福知山市の福知山城)、第5局(福岡県福津市の宮地嶽(みやじだけ)神社)の対局場はいずれも初めてうかがう所で、今から楽しみにしています。