弘前れんが倉庫美術館、副館長に横浜美術館の⽊村絵理⼦が就任へ
⽊村は2000年早稲⽥⼤学⼤学院⽂学研究科芸術学美術史専攻修了。同年から横浜美術館に勤務し、12年より同館主任学芸員を務めてきた。これまで、「昭和の肖像:写真でたどる『昭和』の⼈と歴史」展(2017年、横浜美術館コレクション展/2018年、アーツ前橋/2019年、National
Gallery of Canada 、オタワ) 、「BODY/PLAY/POLITICS」展(2016年)、「Welcome to the Jungle
熱々!東南アジアの現代美術」展(2013年、シンガポール美術館との共同企画/熊本市現代美術館)、「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」展(2012-13年、⻘森県⽴美術館/熊本市現代美術館)、「⾼嶺格:とおくてよくみえない」展(2011年、広市現代美術館/IKON
Gallery、バーミンガム/⿅児島県霧島アートの森)など数々の展覧会を担当。
また、横浜美術館を会場のひとつにする国際展「横浜トリエンナーレ」に⻑年携わってきたほか、国外で開催される展覧会のキュレーションにも取り組んできた。
同館は、木村の就任について「これらの経験は、当館のミッションの⼀つである『異なる⽂化や世界との出会いや交流を⽣み出し、⼈々の開かれた感性を育む』ことに寄与するものと考えております。当館では、これからも国内のみならず国外に向けてもアートの魅⼒を発信するとともに、より⼀層活動を発展させてまいります」との声明を発表している。
また木村は、就任にあたって次のようなメッセージを寄せている。
弘前れんが倉庫美術館は、2020年に開館し、今年で4年⽬となる若い美術館です。しかしその建物は、⽇本酒とシードルの⼯場として、弘前の近代化の⼀翼を担った100年以上の歴史を持ち、今世紀に⼊ってからは現代アートの発信拠点として、20年前に初めて私を弘前へ導いてくれた場所でもありました。アートは、わたしたちに多様な考え⽅に触れて、広い世界と直接つながることを可能にしてくれます。新しい考えを受け⼊れ、なにかを⽣み出していく場所であり続けてきたれんが倉庫の歴史を受け継ぎつつ、市⺠にとっても、これから初めて弘前を訪れるかもしれない、あらゆる⼈たちにも開かれた美術館となっていけるように、⼒を尽くしていきたいと思います。(プレスリリースより)
弘前れんが倉庫美術館は、明治・⼤正時代に酒造⼯場として建設され、戦後はシードル⼯場として使⽤された建物を改修した美術館。改修は田根剛が手がけ、「記憶の継承」をコンセプトに、可能な限りもとの建物を残しているのが大きな特徴だ。建築や地域に合わせたコミッション・ワークを重視しており、奈良美智やジャン=ミシェル・オトニエルの作品をはじめ、弘前ならではのコレクションを形成。また空間特性を⽣かした現代美術の展覧会を開催している。