【今年の浴衣選び】「生地」にも種類が沢山!バリエーションと選び方をプロが解説
撮影=桂太(フレイム) ※価格は税込み。
ゆかたの素材のメインは「綿」ですが、店頭にはいろいろな綿生地が並んでいると思います。フラットな表面をしている綿(コーマ地)のほか、生地に隙間をつくった綿絽(めんろ)や、細かい格子状に見える綿紅梅(めんこうばい)、綿と麻を混ぜて織られた綿麻などがあります。
<写真>絹の着物に「絽」と呼ばれる夏の薄物の生地がありますが、こちらの素材は綿の「綿絽」。生地に「絽目」と呼ばれる、細かい隙間が空いており風を通します。
夏ものの生地のバリエーションが多くある理由は、肌への接触面を減らして爽やかにする、生地にハリをもたせるなど、夏の外出着としてよりよい着心地や着姿の美しさをつくるために、多様な工夫がされていることがあげられます。
例えば綿絽は、透け感の涼やかな着姿が素敵です。綿絽の生地に、夏らしい柄を選ばれると、より着物に近い感覚もお楽しみいただけるのではと思います。ゆかた選びの際にはぜひ生地の表面もよくご覧いただき、また実際に触れていただきながら、生地の違いや特徴をお確かめください。
<写真>薄手の綿の生地に、格子状に太い綿糸を通した綿紅梅(こうばい)の浴衣。生地にワッフル状の凹凸があり、肌に張り付きにくく風を通します。薄手の絹地に綿糸を通した「絹紅梅(きぬこうばい)」もあります。
綿のほかにも、ポリエステル素材や、縮(ちぢみ)などの麻素材のものもございます。こちらも、涼感や着姿にそれぞれ特徴がございますが、ゆかたとしてだけではなく、衿、足袋、帯まわりの小物などを着物感覚でコーディネートされ、着姿の幅を広げてみられるとよいと思います。
<写真>自宅でお手入れができ、気軽に楽しめるポリエステル素材のゆかた。水色地に、淡くピンク色に染まった牡丹の花が可憐です。麻の葉地紋の、白とピンクのリバーシブルタイプの半幅帯を合わせて。浴衣39,600円 帯9,680円 2点とも(新宿髙島屋)