画像生成AIのさらなる浸透を目指す。「日本画像生成AIコンソーシアム」が発足
Consortium、以下JIGAC)」が設立された。
JIGACは、画像を中心とする「ビジュアル素材」を生成するAI(人工知能)が、日本社会において安心・安全に活用できるための持続可能な枠組みの議論と実証を行うことを目的としたもの。株式会社アマナイメージズAI倫理対応・政策企画責任者である望月逸平が代表を務め、AI開発者やユーザーの実務家、研究者、法律家など、日本国内のAIやコンテンツ領域で実務に携わってきた関係者が参画している。
2021年、アメリカのOpenAIが画像生成AI「DALL・E」を発表したことを皮切りに、画像生成AIが相次ぎ一般公開されてきた。JIGACは、こうした画像生成AIの日本における社会実装が進んでいないと指摘。著作権ややモデルの肖像権等第三者への権利侵害のリスクや、学習データ環境が乏しい点、創作者・権利者間のコミュニケーション環境と収益分配環境が整備されていない点などがその要因だとしている。
JIGACは、これらの課題を踏まえ、著作物の保護とテクノロジーの進化を両立させ、クリエイターが新しいものを生み出し続ける創作活動を妨げることなく、日本のAI技術を世界と対等なレベルに引き上げる起点となることを目指すという。
JIGACは3つの環境構築が必要だとしており、その1点目が、許諾に基づく学習とそれら以外が並立し得るなかで、創作者・権利者およびAI開発者の双方にとって安全性、透明性、説明可能性を有する「学習データ環境」。また2点目は、創作者・権利者のオプトイン・オプトアウトの意思表示を担保する「コミュニケーション環境」。3点目は、創作者・権利者への価値還元を実現できる「収益分配環境」だという。
これらの環境を構築することにより、生成画像の質や日本への親和性、ユーザーや権利者として耐え得るリスク水準、開発過程の透明性等を確保した画像生成AIの社会での活用が実現できるとJIGACは主張している。
生成系AIについて、武蔵野美術大学は今年5月に学長からのメッセージを学生に向けて公開し話題を呼んだ。また、
文化庁も「AIと著作権」をめぐりオンラインセミナーを6月に開催した。
JIGACは、画像生成AIに関連した技術動向や法制度動向、ニーズ、ボトルネックなどの情報交換・議論を定期的に行い、また、上記環境の構築において必要な企業・行政などを巻き込む検証活動を予定している。