数字から見えるちば 小中学生の体力低下 オリパラの遺産で向上を
埼玉県では、学校体育や運動部活動の充実に加え、県内で開催したラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピックを活用したスポーツ参画人口の拡大、スポーツボランティアの増強、国際大会における埼玉県選手の入賞者増加といった幅広い施策に取り組んできており、それらがスポーツに取り組む子供の増加や体力増強にも影響を及ぼしたと考えられる。
また、同県は、まちづくりにおけるスポーツの力に着目し、平成27年にスポーツに関連する施策を教育局から知事部局のスポーツ局に移管している。県民のスポーツへの取り組みを健康、長寿に結び付けたり、スポーツイベントの開催を観光振興やコミュニティーの活性化につなげるなど、スポーツ振興に戦略的に取り組んできた。
千葉県では、東京2020大会の開催を契機に会場が整備され、「オリンピック・パラリンピック教育の充実」や「パラスポーツの普及」、「街なかのバリアフリー化」などの効果(レガシー)を得た。また、行政の施策としては、県が今年4月、「千葉県体育・スポーツ推進計画」を策定し、子供の体力向上や生涯スポーツの推進、スポーツ環境の整備などに取り組むこととしており、埼玉県と同様に学校体育以外のスポーツに関する事務を教育庁から知事部局に移管する組織改正も行った。
同計画を指針として、オリンピック・パラリンピックのレガシーや、一年中スポーツを楽しめる温暖な気候など本県の強みを生かしながら、次世代の体力向上やアスリートの育成、スポーツ参画人口の拡大などを図ることにより、本県のスポーツがさらに発展するとともに、それが地域の活性化にも波及していくことを期待したい。(ちばぎん総研上席研究員 薄井聡)