〈いけばな草月流〉とコラボした、アダム・シルヴァーマンの作品集。
大の建築ファンでもあるアダムは、1989年に初めて日本を訪れた際、丹下健三設計の〈草月会館〉を訪れたという。1階にあるイサム・ノグチによる石庭《天国》もしかり、「〈いけばな草月流〉でのジャンルを超えてのコラボレーションは先代から受け継がれてきた哲学」だと第4代家元・勅使河原茜もこの本に寄せたインタビューで言及している。
2週間の展示は、美しい一過性のもの。ただ、写真家のジョシュア・ホワイトと多様なアレンジを記録撮影していくうちに、一冊の本にできる手応えがアダムにはあったという。
「『COMMON GROUND』は陶器を囲んだ交流が要のプロジェクト。様々な生け花作家との同時コラボレーションという、華やかで象徴的な体験を形に残したかったんです」
そうして出来上がった今回の作品集は、美術館の図録などを多く手がけるデザインスタジオ〈〉と協力し、フィールドガイドのような仕上がりに。アダム・シルヴァーマンと〈いけばな草月流〉とのコラボレーションの記録を、図録、エッセイ、インタビューなど様々な切り口から知ることができる本が生まれた。
〈いけばな草月流〉LA支部とのコラボ展の写真記録と、現在進行形であるアダムの「COMMON GROUND」プロジェクトのプロセスを紹介。128ページ。6,000円。英語。Inventory Press刊 (2023)。