森鴎外の自筆原稿発見 伝記「渋江抽斎」を推敲 2022-07-14 文京区立森鴎外記念館(東京)は14日、文豪森鴎外(1862~1922年)の晩年の伝記作品「渋江抽斎」の自筆原稿の一部が見つかったと発表した。鑑定した山崎一穎・跡見学園女子大名誉教授(日本近代文学)は「鴎外作品の自筆原稿の発見は極めて珍しい。推敲の跡も生々しく興味深い」としている。10月22日からの特別展「鴎外遺産」で公開される。 同作は弘前藩の侍医、考証学者の伝記で、見つかったのは新聞連載(全119回)の49回と50回の原稿。冒頭に「森林太郎」と本名が書かれ、49回は鉛筆で迷いなく書かれているのに対し、50回は加筆、修正した墨の文字が多く残っていた。