「エホバの証人」子供輸血拒否 厚労省に情報提供
厚労省は昨年12月、信者の子として生まれた「宗教2世」らへの虐待に対応するためQ&A形式の指針を作成、全国の自治体に通知。この中で、信仰する宗教の教え・決まりなどを理由に治療として必要な輸血を行わないことは「ネグレクトに該当する」とし、必要に応じ一時保護などを検討するよう定めている。
今年1月に設立された「エホバの証人問題支援弁護団」によると、現役の信者からの相談で、教団による子供への輸血拒否の指導が、指針公表後も続いていることを確認。この信者は教団から「子供の輸血拒否を強く迫られた」という。
教団はホームページ上で、輸血の拒否は「血を取り入れること」を避けるよう命じる聖書の記述に基づくとした上で「医療上の理由というより、宗教上の理由だ」と説明している。
弁護団のもとにはこれまでに、2世信者らから「幼少期にむちで打たれ、信仰を強制された」といった相談が約100件寄せられているという。28日に東京都内で記者会見を開き、むち打ちや輸血拒否などの実態について報告する方針。
産経新聞の取材に対し、エホバの証人日本支部の広報担当者は「命に関する大切な情報なので、精査して回答したい」としている。