伝説の映画俳優アラン・ドロン、所蔵アートをオークションへ
合計で400万~500万ユーロ(約5億7000万~約7億2000万円)の価値があるとされるコレクションには、19世紀のフランスの画家のドラクロワや、20世紀のパリを代表する近代絵画家のラウル・デュフィ、ルネサンス期のイタリア人画家のヴェロネーゼの作品などが含まれている。
現在87歳のドロンは「死後にアートを販売するのは嫌だ」と発言した2007年に、コレクションの大部分を売却していたが、新たなオークションで80点以上のアートを競売にかけようとしている。2016年に彼は、ワインや時計、武器のコレクションの一部も売却していた。
60年以上にわたって収集された今回のコレクションには、ルネッサンス期のイタリアの彫刻やスケッチが含まれており、6月22日にパリの競売会社Bonhams Cornette de Saint Cyrのオークションにかけられる。しかし、これらの作品はその前に、ニューヨークや香港、ジュネーブ、ロンドン、パリで開催される展覧会でお披露目される予定という。
フランス映画の生ける伝説であるドロンは、1960年代から80年代のヨーロッパで最も著名な映画俳優であり、セックスシンボルだった。『太陽がいっぱい』や『太陽が知っている』『山猫』『サムライ』などの名作を含む90本以上の映画に主演した彼は、ルキノ・ヴィスコンティやジャン=リュック・ゴダール、ジャン=ピエール・メルビル、ミケランジェロ・アントニオーニ、ルイ・マルなどの有名監督の作品でおなじみだった。
「私は、1964年にロンドンで初めてドローイングを購入し、何年もかけてさらに多くのアートを手に入れた。それらの作品は、私を感動させ、私に語りかけ、時には私を慰めてくれることもあった」と、オークションカタログの中で彼は述べている。
今回の競売で最も注目すべき作品の中には、ラウル・デュフィの1906年の作品「La Plage de Sainte Adresse」があり、60万ユーロから80万ユーロの価値があるとされる。また、ドラクロワの1825年の絵画「Horse Arab tied to a stake」は40万ユーロから60万ユーロとされている。
「私は自らの情熱のためにアートを買ったのであって、決して投資のために買ったのではない」と、ドロンは以前のオークションの際に述べていた。