井山三冠が十段戦挑戦者決定戦へ、芝野名人と激突
囲碁の対局は原則として序列上位者が所属する拠点に、下位者が出向き行われる。七大タイトルのうち井山三冠は本因坊・王座・碁聖を保持するが、棋聖がタイトル最上位のため、一力棋聖が所属する東京本院で打たれた。平成25年から棋聖を9連覇していた関西総本部所属の井山三冠。リーグ内序列が優先される名人戦リーグでは令和2年7月に張栩(ちょう・う)九段と東京本院で打った例などがあるが、挑戦手合や国際棋戦、名人戦リーグをのぞけば、平成24年7月の阿含・桐山杯1回戦、山下敬吾名人(当時)戦以来の東京対局だった。
井山三冠は今期本戦で、中野泰宏九段と大西竜平七段を破ってきた。昨年11月に芝野現名人に敗れ失冠したが、その後、年をまたいで8連勝となった。
一力棋聖は初防衛をかけた棋聖戦七番勝負の第1局(12、13日)で芝野名人を破り14連勝と好調だったが、連勝はストップ。七大タイトルのうち唯一、十段戦だけ挑戦手合登場がなく、今期も見送りになった。
十段戦4強にタイトル保持者3人が残っていたのは、敗者復活戦制度を廃止し、本戦トーナメント一本になった第50期以降で最多。第58期の挑戦者決定戦では芝野名人が井山三冠を破っており、それ以来のタイトルホルダー同士の決勝になる。
3連覇がかかる許家元(きょ・かげん)十段(25)との五番勝負は3月上旬に開幕する。