パリ在住の杏が明かす「いつか旅したい」画家たちにも大人気のフランスの地方とは?
【女子的アートナビ】vol. 289
『憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』では、国内外の美術館から集められた、「ブルターニュ」をテーマにした作品約160点を紹介。
絵画や版画だけでなく、当時の画家たちが旅先から送った絵ハガキや、旅行トランクなど関連資料も展示され、ブルターニュを旅した気分も味わえます。
さらに、本展の音声ガイドナビゲーターは、フランス在住の女優、杏さん。SNSなどでパリの様子を発信され、フランスの雰囲気が漂う杏さんの声を聴きながら、巨匠たちの名画を堪能できます。
展覧会に寄せられた杏さんのコメントは次のとおりです。
もともと美術展が好きで、フランスと日本を結ぶ展覧会のアンバサダーをやらせて頂けることをとても光栄に思います。フランスにいて伝えられること、感じられることがあるのかな、と思いますので、それを今回の作品を通じてみなさまと共有できたら嬉しいです。
「ブルターニュ」というテーマの中で、同じ時代の同じ場所をさまざまな画家が、どのような視点を持って景色を見ていたのか、何を感じたのか…。
当時の画家たちの声が聞こえてくるような作品ばかりなので、展覧会でブルターニュという場所をよく理解し、味わい、いつか私も旅をしてみたいなと思います。
19世紀後半から20世紀はじめにかけて、クロード・モネやポール・ゴーガンなど西洋の画家たちや、日本からパリに留学していた黒田清輝や藤田嗣治もブルターニュを訪れ、さまざまな作品を描いています。
なぜ、画家たちは、ブルターニュに魅了されたのでしょう?
本展を企画された国立西洋美術館主任研究員の袴田紘代さんによると、もともとブルターニュはケルト人が住み、公国として独立した地域だったので、文化的にも特徴がある、とのこと。また、各地に残る巨石遺構や海岸の断崖絶壁など自然の景観も独特なので、フランスのなかでも異郷として認識され、19世紀から画家たちが訪れるようになったそうです。