『中国がアメリカを抜いて「経済で世界一」になる前に、日本が採るべき路線』への皆さんの反応まとめ
【写真】習近平、ついに“自滅”か…アメリカの論文が予想した中国「大崩壊」の末路
イギリスはEU(欧州連合)から離脱し、「グローバル・ブリテン(大英帝国再編)」を目指して、米英の軍事的連携を強めている。オーストラリアも、アジア、オセアニアでアジア人の経済力が拡大する中、米英との同盟強化により存在の再構築を図っている。
このような現状で、アメリカ、中国、ロシア、北朝鮮などに囲まれた日本は、どのように行動すればよいのだろうか? アメリカとの同盟関係を既定路線と決め込むことなく、今後の日本のアジア政策を考えてみたい。アメリカ中心の「価値の同盟」アメリカのバイデン大統領[Photo by gettyimages] 最大の特徴は、アメリカ・バイデン政権の「価値の同盟」戦略である。アメリカは、2021年6月のG7で「価値の同盟」を打ち出し、トランプ時代の同盟解消を脱し、イギリス・オーストラリア・日本と共に、アジアで強力な軍事再編を行ってきた。
なぜか?
問題は中国の「人権問題」ではない。
人権問題なら、アメリカの南部警察の黒人射殺、イスラエルのパレスチナに対するミサイル攻撃、ヨーロッパのイスラム嫌悪、日本のヘイトスピーチなど、あらゆる先進国も抱えている。確かに中国において権威主義的な傾向は拡大の予兆を見せるが、中国だけの問題ではない。
最大の問題は、中国の経済、IT、知力、軍事力すべてにおける強化に対する米欧の警戒感だ。アジアで急速に拡大する新興大国中国に対し、アメリカはもはや一国では中国に対抗できない。だからこそ、「価値の同盟」を表明し、組織化を図っているのだ。
「価値の同盟」の根幹は3つ、(1)QUAD(クアド)、 (2)AUKUS(オーカス)、(3)ファイブ・アイズ(5つの眼)という諜報網だ。
ヨーロッパは、長年、メルケルという東ドイツの物理学者の女性をリーダーとすることにより、社会主義対資本主義という思想的分断やロシアの封じ込めを極力避け、旧社会主義体制と西欧諸国との調整役に徹してきた。またEUの経済的強化に向け、新中国政策を図ってきた。
イギリスのEU離脱後、グローバル・ブリテンとしてアジア進出を拡大してきたイギリスに対して、欧州最大の軍事大国フランスも、影響力を拡大すべくアジア太平洋に乗り出している。次ページは:10年後、アジアで生じる「緊張の激化」前へ1234次へ1/4ページ