統治者から見た「徳川の平和」 山内昌之・東大名誉教授、『将軍の世紀』刊行 2023-06-05 約270年にわたる「パクス・トクガワナ(徳川の平和)」とは、いかなる時代だったのか。イスラム史の泰斗で、日本近世史への深い造詣でも知られる山内昌之・東京大名誉教授が刊行した大著『将軍の世紀』(上下巻、文芸春秋)は、徳川将軍15人の治世を追いながら、日本が諸勢力分立の中世を脱し、統一的国家体制の整備へと進むさまを描く。リーダーのあり方など、史論的要素も豊富に盛り込んだ江戸通史だ。