「ハヤカワ新書」創刊、NFT電子書籍付きも発売
NFT電子版は、電子書籍取次大手、メディアドゥ(東京)のサービスを使用する共同事業。通常の紙版に440円を足した価格を設定し、著者の対談などの限定コンテンツを収録する。閲覧権のみ得られる通常の電子版とは違い、NFT版では読者の間で譲渡や売買などが可能になる。売買した際には出版社や著者に収益が還元される仕組みになっていて、これまで存在しなかった電子書籍の〝中古市場〟が創出される。
早川書房の山口晶事業本部長は「後発の新書なので何かバリュー(価値)を出さないといけない、と思った。これまで『ゼロ』だった電子書籍の2次流通市場ができるのは、業界全体にとって意味があるのでは」と語った。
「ハヤカワ新書」では今後も、自社の強みである海外物やSF、ミステリーの視点を生かした作品の出版を予定している。一ノ瀬翔太編集長は「知的なエンターテインメント性を意識したものを提供したい」などと話した。