ルイ・ヴィトンの広告をめぐる著作権紛争。ジョアン・ミッチェル財団が中止を要求
JMFの声明文によると、2022年末、ルイ・ヴィトンは同財団に対し、今後の広告キャンペーンでミッチェル作品の使用許可を要請。財団は、ミッチェルの作品の画像は教育目的にのみ使用するという長年の方針に従い、また商業的なキャンペーンや商品・サービスの宣伝のために同作家の作品を使用することを一度許諾したこともないことを理由に、ブランドの要請を何度も拒否したという。
しかしながら、この広告キャンペーンは今月にスタートし、ブランドのウェブサイトや新聞などに掲載。広告では、ルイ・ヴィトンのバッグを持ったフランスの女優レア・セドゥが登場し、ミッチェルの絵画作品3点の一部が写っている。
JMFによれば、これらの作品は《La Grande Vallée XIV (For A Little While) 》(1983)、《Quatuor II
for Betsy Jolas》(1976)、《Edrita Fried》(1981)で、現在パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンで開催中の「
『モネとミッチェル』展─対話と回顧─」で展示されているという。
同財団は、「これらの作品をこのような目的、方法で撮影することを許可することは、フォンダシオン
ルイ・ヴィトンがJMFとの契約に違反することになる」と主張し、「ルイ・ヴィトンが作家の権利を軽視し、金銭的な利益のために彼女の作品を利用することは、JMFにとって重大な失望をもたらすものだ」と強く訴えている。
さらにJMFは、ルイ・ヴィトンに対して広告キャンペーンの中止を要求。現在、ルイ・ヴィトンは問題の広告キャンペーンをウェブサイトやSNSから撤去したが、本件に関する公式な声明はまだ発表していない。