アール・ブリュット作品で障害や多様性学ぶ 甲賀で展覧会 滋賀
同市教委は、障害のある人や正規の美術教育を受けていない人が自由な発想で創作する「アール・ブリュット」(生の芸術)で知られるやまなみ工房と連携し、昨年9月から今年1月にかけて市内の23小中学校で取り組みを実施。各校で5日間程度、約30点の作品を展示し、作り手を紹介するパネルも添えた。10校では施設職員が講師となり、利用者の創作の様子などを説明する「ふれるとミーティング」も開いた。
展覧会では各校で展示していた作品を中心に約70点が並ぶ。小さな地蔵を30年以上作り続ける山際正己さん(50)の「正己地蔵」をはじめ、触れられるものもある。酒井美穂子さん(44)が毎日持ち歩くインスタントラーメンの袋を大量に展示した作品も目を引く。副施設長の早川弘志さん(51)は「大切なものや、好きなことは人それぞれ違っていいということを感じてもらえたら」と話す。
会場の壁には、子供たちが展示の感想を書いたメッセージカードが飾られている。「得意なことや個性を生かして、すてきな作品を作られていてすごいと思った」「作った人の気持ちや温かさを感じた」など、率直な思いがつづられている。
4~5日は山際さんと共に「正己地蔵」を作るワークショップや、利用者によるアートライブなどがある。入場無料。問い合わせは同ホール(0748・62・2626)。【村瀬優子】