神戸で、イタリアデザイン界の巨匠、ミケーレ・デ・ルッキの思索に迫る。
「デザイン都市・神戸」の拠点施設である〈デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)〉にて、イタリアを代表する建築家・デザイナーであるミケーレ・デ・ルッキの展覧会がはじまる。ミケーレ・デ・ルッキと彼が主宰する建築スタジオ〈AMDL CIRCLE〉による、建築の進化する役割と象徴的な建物の必要性をめぐる考察から生まれた新しい建築のタイポロジー「EARTH STATIONS」を日本で初めて本格的に紹介する。
ミケーレ・デ・ルッキは、1980年代にデザインムーブメントを巻き起こしたデザイナー集団〈メンフィス(Memphis)〉の主要メンバー。以来、イタリア国内外にて住宅、産業施設、オフィスや文化施設等の建築プロジェクトやミュージアムのプランニングなどを手がけ、建築・デザインの分野において現在に至るまで、第一線で活躍し続けている。
日本との関係も深い。近年では「ジンズ(JINS)デザインプロジェクト」でのコラボレーションや、群馬県前橋市の〈白井屋ホテル〉のスペシャルルームを手がけたほか、現在は、神戸のランドマークであった旧〈六甲山ホテル〉を、《六甲山サイレンスリゾート》として再生する5年間のプロジェクトを主導している。
7月16日にスタートする『EARTH STATIONS by AMDL CIRCLE ミケーレ・デ・ルッキと未来を共有する建築』では、「EARTH STATIONS」を中心に、《六甲山サイレンスリゾート》や世界各地でのプロジェクトにつながるデ・ルッキの思想を模型や映像で紹介するほか、彼がデザインした家具や照明などのプロダクトも展示する。
会場となるのは、旧生糸検査所を改修した神戸市の施設〈KIITO〉。より豊かに生きることを提案する同施設で目の当たりにする、〈メンフィス〉から現在に至るデ・ルッキの思索は、私たちの建築やデザインの在り方に対する考え方に、きっと新たな変化をもたらしてくれるはずだ。