英語・国語やや難化か 倫理で「親ガチャ」出題も 共通テスト
日本史Bの幕末から明治にかけての時代を問う出題では、この時期を舞台にした劇の台本づくりを巡る演劇部員の会話文を基に史料を読み解かせた。河合塾によると、全体の難易度は昨年並み。分析担当者は「受験生が苦手とする史料の読解問題も増加したため、60分という試験時間内で処理しきることは難しかったかもしれない」とする。
世界史Bでは、会話文を読み、フランス王家の家系図を使って紋章の図柄を考えさせる共通テストに特徴的な問題も出た。全体について、代々木ゼミナールの担当者は「文字史料が多く、読解しなければならない文章も長かった。それぞれの難易度は高くないが、読み進めるのに苦労した受験生が多かったのではないか」と指摘した。
国語で評論の題材となったのは、近代建築の巨匠、ル・コルビュジエに関する2つの文章。小説では、広告を掲載した説明的な資料を使った新傾向の問題も出た。ベネッセコーポレーションと駿台予備学校は「応用的・発展的な思考力がより求められ、昨年よりやや難化した」とみる。
英語のリーディング(読み取り)では、ブログや広告などの日常的素材から論説文まで題材がさまざまだった。語数は昨年同様に約6000語と多く、代ゼミの担当者は「解答根拠の特定に手間取る設問もあり、全体として昨年よりやや難化」。リスニング(聞き取り)も「1回で聞き取って解答するには、やや難しい問題も含まれた」とした。
倫理などでは、社会での成功を家庭の経済格差と結び付けて考える、いわゆる「親ガチャ」に言及した会話文も出題されていた。