【ABC特集】性的描写シーンでNoと言える環境に… 俳優と制作側の“調整役” 日本にまだ2人しかいない「インティマシーコーディネーター」 緊張の撮影現場に密着
日々私たちが楽しむドラマや映画。そこに登場するインティマシーなシーン、いわゆる“ラブシーン”などについて専門的な知識をもとに携わるプロフェッショナルがいます。
インティマシーコーディネーター・西山ももこさん。耳慣れない職業ですが、それもそのはず・・・
「日本にまだ2人しかいないと言われていて、私も2020年の7月に資格を取得してまだ2年」
今注目の撮影現場のプロフェッショナルに密着しました。
『インティマシーコーディネーター』が生まれたのはアメリカ。きっかけは2018年にハリウッドで起きた、いわゆる『#MeToo運動』で映像業界でのセクハラや性加害の問題が浮き彫りになったことでした。
「どの職業においてもパワーバランスっていうものが発生する。映像業界だと、どうしても監督やプロデューサーに対して『自分はこう思う』『こういうのやりたくない』となったとしても、俳優から言いづらいというところを解消したい」
この仕事は親密なシーンの撮影について、監督の意向と俳優の要望をつなぐ役割だと言います。
西山さんは2020年、アメリカの団体が発行するインティマシーコーディネーターの資格を取得しました。資格取得のためには面接を経て、ジェンダーやハラスメントについての計75時間の座学を受け、毎日実施されるテストや課題をクリアする必要があります。
ただ、あくまでも民間資格なので「数日トレーニングを受けただけの人でも名乗れてしまうと、逆に被害を増やしてしまう可能性もある」という懸念もあると言います。
西山さんが携わっているのが、ABCテレビで毎週日曜日放送のドラマ『アカイリンゴ』。
舞台は近未来“性行為が法律で禁じられた世界”です。
主演はスーパー戦隊シリーズでキラメイレッドを演じた小宮璃央(こみや・りお)さん。
性行為に嫌悪感を持つ優等生が、様々な人との出会いをきっかけにルールに疑問を持ち始めるという漫画原作のドラマです。