シルクロードを通じて古代の東西文化交流史をたどる。「世界遺産 大シルクロード展」が東京富士美術館で開催へ
大シルクロード展」が、9月16日より東京富士美術館で開催される。
自動車も汽車もない時代、シルクロードは古代から重要な交流、通商ルートであり、多様な民族が興亡した文化融合の地だった。草原や砂漠、雪山を越え、ときには命をかけて人や物がここを往来し、地球の四分の一周にもおよぶこの壮大な「旅路」は、人類の歴史においても重要な役割を果たしてきたと考えられている。
シルクロードに関する研究は19世紀後半より始まり、現在は約140年の歴史がある。日本では半世紀ほど前のテレビ番組で多くの人の知るところになったほか、近年は奈良の正倉院に伝わる宝物の故地として、ペルシアや中央アジア、ひいてはギリシア、ローマに起源する文化交流の歴史も注目されている。そして、シルクロードが
2014
年にユネスコの世界遺産に認定されたことを契機に、中国でもシルクロードへの関心が高まり、学術調査や研究はこれまでにない勢いで進められ、新しい発見が続いている。
本展は、世界遺産認定後、中国国外で初めて行われる大規模なシルクロードの展覧会。中国の洛陽、西安、蘭州、敦煌、新疆地域など27ヶ所の主要な博物館・研究機関が所蔵する文物のなかから、シルクロードの文物や関連資料など240点が出品される。また、金銀宝飾品、青銅器、ガラス、陶磁器、壁画、絵画、染織、経典、仏像など、中国国家一級文物45点も一堂に公開される。