「面を知るには能を知れ」偉大な父の背中を追って…若き能面師の思い【石川発】
石川県金沢市の後藤尚志さん29歳。金沢で生まれ、金沢で育った。若き能面師だ。
竹内章アナウンサー:
能面師になったのはいつなんですか?
能面師 後藤尚志さん:
本格的に作り始めたのは大学卒業後です。
竹内アナ:
お父様は能面師の第一人者ですよね?
尚志さん:
父が能面師の仕事をしている事もあって自分も何か作ってみようかなと思いました。
竹内アナ:
この面は誰が作ったんですか?
尚志さん:
これは全部僕が作りました。
竹内アナ:
すごいですね。これが般若?
竹内アナ:
あとの2つは?
尚志さん:
こちらは小面と呼ばれまして、若い女性の面で、表情も柔らかく少しふっくらした面持ちの面になります。
尚志さん:
こちらが男性の面で男性のお化けなんかに使われたりする面で若男と呼ばれます。
竹内アナ:
よく「能面のような表情」って「無表情」な例えで使われますが、実はそうじゃないんですね。能面は非常に表情があるんだと。
尚志さん:
面は舞台でシテ方がかけてゆっくり動くことによって少しずつ表情が変わってきますね。
尚志さん:
例えばちょっと上に傾けると「テル」と言って、ちょっと笑ったような幸せそうな表情になります。下に傾けると「クモル」と悲しげな表情になります。
竹内アナ:
角度によってちょっと憂いを帯びてくるわけですね。
尚志さん:
ちょっと斜めから見る時がすごく美しいというか可憐に見える角度になりますかね。
竹内アナ:
本当に生きているかのような。
尚志さん:
シテ方が着けた時はもっともっと表情が動いて見えるので、是非、舞台で見ていただきたいです。