『グリーンピース「東京電力の汚染水海洋放出、韓国への被害影響考慮していない」』への皆さんの反応まとめ
グリーンピースが提出した意見は、東京電力が先月発表した「ALPS処理水の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)」対する検討意見だ。東京電力は同報告書で、「(汚染水を海に放出しても)人および環境への影響は極めて軽微であることが示された」と主張し、今月18日まで該当報告書に対する外部の意見を募集して最終報告書に反映すると明らかにした。
グリーンピースの東アジアシニア核問題スペシャリスト、ショーン・バーニー氏は、同報告書について「汚染水の海洋放出に正当性を与えるための断片的な放射線評価」だとしたうえで、「東電は十分な科学的根拠なしに10平方キロメートル範囲以上の海域と海洋生態系に被害を及ぼさないと断定した」と指摘した。
東京電力は報告書を発表し、IAEAの指針に従って作成したと明らかにした。しかしグリーンピースは「検討の結果、東電は放射線影響評価対象を非常に細かい領域に設定しただけでなく、IAEAの指針も都合よく借用した。結局、現在の放射線影響評価範囲に韓国をはじめとする近隣諸国の市民が受ける被害影響は考慮されなかった」と指摘した。
IAEAの一般安全指針(No.GSG-9)は、放射線影響評価を行う際、自然放射能や核兵器の実験、原発事故などの影響を考慮し、原発敷地周辺の水や土壌、植物、穀物など、さまざまな環境領域の放射能濃度も一緒に測定するよう定めている。グリーンピースは、東京電力がこのような指針に明示した総合的な環境影響評価を履行せず、汚染水が少なくとも30年間放出される状況で、海洋生態系に及ぼす長期的な被ばく被害についても説明しなかったと指摘した。グリーンピースは「これは汚染水の海洋放出による海洋生物とこれを摂取した人間につながる被ばくの危険など、潜在的影響を意図的に縮小した行為」だと主張した。
グリーンピースはまた同報告書に、今年3月に発表された日本の電力中央研究所の調査結果など、最近まで明らかになった放射性汚染の経路が含まれていないことも問題点だと指摘した。新たな放射性物質の汚染経路が発見された場合、評価に反映すべきというIAEAの勧告を守っていないという主張だ。電力中央研究所が福島沿岸の堆積物から採取した7つのサンプルからは、いずれもセシウムの含有量の高い微粒子が発見された。
グリーンピースは、報告書が汚染水を海洋に放出しなければならない理由を説明せず、福島第一原発の廃炉が汚染水に及ぼす影響が全く取り上げられていない点も問題視した。
グリーンピースの脱原発キャンペーナーのチャン・マリ氏は「東電の放射線影響評価は汚染水の2次浄化処理が必ず成功する状況だけを前提にしており、現実とはかけ離れている」とし、「多核種除去設備(ALPS)は数年間、高毒性の放射性物質を完全に処理するのに失敗してきた。今後韓国を含む国際社会は、汚染水の海洋放出自体が科学的かつ技術的に避けられないのかについて、東電に検証を求めなければならない」と述べた。
キム・ジョンス先任記者(お問い合わせ [email protected])