将棋・女流王位戦第1局 先手番の伊藤が133手で先勝 立会人の森信雄七段「互いの棋風が出た」
持ち時間各4時間のうち残りは両者1分。第2局は5月16日、札幌市の京王プラザホテル札幌で指される。
女流王位5連覇を目指す里見と、通算2期目の女流タイトル獲得を期する伊藤による戦いは振り駒で伊藤が先手番に。伊藤の居飛車と里見の向かい飛車による対抗形となった。
里見が5五歩(40手目)と仕掛けて中盤戦が始まり、伊藤の4六同銀(47手目)から形勢が揺れ動く一進一退の攻防となった。
自然に見えた里見の4五馬(82手目)に対する伊藤の6一竜(83手目)が攻めと守りの一石二鳥となる好手となった。伊藤が優勢を築いた後、里見は5九飛成(94手目)から猛反撃したが及ばなかった。
立会人の森信雄七段(71)=宝塚市=は「里見女流王位が積極的に仕掛け、伊藤女流四段が堅実に受ける互いの棋風が出た将棋。勝つことの難しさと重みをあらためて感じた。今後のシリーズで、互いがどんな戦法を選ぶのかが楽しみだ」と話した。(井原尚基)