『「性教育はエロいものだと思ってた」──高校生が自分たちで考える「人生の役に立つ授業」【#性教育の現場から】』への皆さんの反応まとめ
通常、小・中・高等学校では保健体育などの授業の一部を使って性教育が行われる。近年では、産婦人科医や助産師を招いて「出前授業」をしてもらう学校も増えてきてはいる。そうした中で、大東学園高校のように必修科目となっているのはかなり珍しい。
それだけに、生徒も最初は戸惑う。「やりたくない」「気持ち悪い」と抵抗を感じたり、「エロいのでは?」と思ったりする。ところが1年後には、「やってよかった」「いやらしくない」という感想に変わる。何が生徒を変えるのか。
今年6月、「性と生」の授業を見学した。チャイムが鳴って生徒たちが席につく。普通コース1年B組には男子25人、女子13人。ブレザーやシャツ姿が多いが、トレーナーやパーカーを着ている生徒もいる。授業が始まっても、教室は少し心配になってしまうほど騒がしいままだ。授業の様子(撮影:鈴木愛子)今日の授業のテーマは「デートDV」。プリントに6コマのマンガが二つある。どちらも付き合いはじめた高校生の男女の話だ。
一つ目のマンガでは、別の女の子と仲良くしている彼を見て、彼女が「浮気者!」と激怒する。そして「私以外の女子と話すの禁止!」と彼のスマホから勝手にLINEの連絡先を削除してしまう。彼は「好きだからしょうがないのかな」とつぶやく。
二つ目のマンガでは、彼が「エッチしよう」と言うが、彼女は「したくない」からはぐらかす。すると彼は「オレのこと好きじゃないのかよ!」と彼女を突き飛ばす。彼女は「好きだからエッチしなきゃいけないのかな」と悩み、彼もまた「オレ、おかしくないよな」と考え込む。
先生は、「この人たちがなんで暴力に走るのか考えてほしい」と問いかける。生徒たちからは、「思い通りにならない」「自分に自信がない」「相手を信用していない」「独占したいから」……などの意見が出た。前へ1234次へ1/6ページ