「最期まで自分らしく」 理想の地域医療掲げる院長のブログ出版
松永さんは「医療法人社団 優和会」「社会福祉法人 おかげさま」の理事長。東京医科歯科大を卒業後、首都圏の民間病院に勤務していたが、医師である父親が倒れたことを契機に1997年に南房総市の病院を継ぎ、25年以上、地域医療に貢献してきた。
松永さんは自身の仕事ぶりを「院長ブログ」と題してインターネット上で発信していたところ、ユニークな内容だとして昨年3月に出版社側から声がかかり、今回の出版に至った。
刊行した著書では「高齢者が最期まで自分らしく生き切る」ことができるようにすることが「私の使命」と記述。高齢者本人の意思を尊重し、自宅で家族や友人に見取られながら最期を迎えることが理想と訴えている。
松永さんは取材に「高齢者のケアでは、『食べること』『笑うこと』『愛されること』の“生の三徴候”が大事。戦後、日本を経済大国に築き上げた高齢者たちが自信や元気を失うことなく、最期に『自分の人生は幸せだった』と思ってもらえるよう支えきりたい」と話す。
また、医師や看護師など多職種協働のケアにより「高齢者が地域の中で命を完結できるようにするべきだ」とも訴える。それを実践するため、「目の前の患者さんの10年未来の笑顔を守る」などをモットーに日々、訪問診療などに奔走している。
同書は税別1500円。インターネットや書店で購入できる。