約30年ぶりの日本での個展が開催! ケニー・シャーフのポップな黙示録。
「子供の頃から絵を描くのに夢中でいつも絵を描いていた。NYの美大に入学したが、概念的な講義ばかりで退屈だった。私たちの前の世代のアートの世界ではコンセプチュアル・アートやミニマリズムが主流で、美術教育を受けた人間にはその意味がわかるが、そうでない人は通り過ぎてしまうような作品も多かった」とケニーは話し始める。
「ジャン(=ミッシェル・バスキア)とは学校に入って1週間も経たないうちに会った。カフェテリアに行ったら彼がいて(彼はその学校の生徒ではなかった)、僕が持っていたポートフォリオを見せたら『君は絶対有名になる』と言われた。そのあと一緒に出かけたら、彼が最初に壁に“SAMO”( 筆者注:バスキアのグラフィティ・ネーム)と描いてマーカーを渡してきたので僕は“Jetsons”(筆者注:1960年代のアメリカのSFアニメ『宇宙家族ジェットソン』から)と描いた。それからずっと一緒にいるようになった。
キース(・ヘリング)ともその同じ週に学校で会った。校舎の中でディーヴォ(筆者注:ニューウェイブ・バンド)の曲が聞こえてきて音を辿ったら、彼が小さな作業部屋をペンキだらけにして一心不乱に絵を描いていた。すぐキースとは部屋をシェアするようになった」