WBCで話題!ペッパーミルこけしも…コロナ禍で進化遂げた「鳴子こけし」新たな魅力【宮城発】
2023年3月、WBCでのヌートバー選手のパフォーマンスで、話題となったペッパーミル。こけしと一体化した姿が「かわいい」と話題になり注文が殺到。今や購入は3,4カ月待ちになっているという。
準喫茶カガモク 加賀浩嗣さん:普通のペッパーミルもありますが、野球好きの方はボールのったものがほしいと
千坂紗雪アナウンサー:ファンにはたまらない。
準喫茶カガモク 加賀浩嗣さん:そのようですね。
宮城県大崎市の鳴子温泉郷にある「準喫茶カガモク」。こけしペッパーミルは、この店を営む加賀浩嗣さんが10年ほど前に制作を始めた。店内にはこけしのおもちゃやインテリアなど趣向を凝らしたこけし雑貨が至る所にある。
店員:こけしドーナツと、こけしコーヒーになります。
千坂紗雪アナウンサー:ドーナツの真ん中にこけし。
店員:ドーナツ専用のこけし皿になります。
喫茶店でもあるこの店では食器にもこけしの姿が。鳴子こけしへの愛が詰まっている。
準喫茶カガモク 加賀浩嗣さん:
うちでは伝統こけしではなく、こけしの雑貨とアレンジをしていて、うちをきっかけに伝統こけしの魅力を知ってもらえたらという思いで作っています。
宮城県北部に位置する鳴子温泉郷。源泉の多さと多彩な泉質で知られている。特産の「鳴子こけし」は日本三大こけしの一つに数えられ、温泉地の名物として長く親しまれてきた。
千坂紗雪アナウンサー:
鳴子こけしは、菊を中心とした鮮やかな胴模様が印象的です。ただ魅力はそれだけではありません。
この地で80年以上にわたり、こけしを作り続けてきた「こけしの松田工房」。
千坂紗雪アナウンサー:
こんにちは。よろしくお願いします。今はどのような作業を?
こけしの松田工房 松田忠雄さん:
鳴子の伝統こけしを作っています。
この工房の3代目・松田忠雄さんは祖父の代から伝統的なこけしを作り続けてきた。一方で、15年ほど前から、客の依頼を受けて創作こけしの制作にも取り組んでいる。
松田忠雄さん:これは猫ですね。猫こけし。
千坂紗雪アナウンサー:かわいい。
松田忠雄さん:そしてこれはひょっとこですね。
自由な発想で作られた創作こけしの数々。飾っておくだけでなく、中にはこんなものも。
松田忠雄さん:これはペットボトルキャップですね
千坂紗雪アナウンサー:簡単に開くってことですか
松田忠雄さん:大きいから握りやすいし、自分のペットボトルとわかりますから。立てた時にはちょっとこけしに。
さまざまなチャレンジを続けてきた松田さんの工房。多くの人にこけしの魅力を知ってもらいたいと絵付け体験も行っている。
松田忠雄さん:だんだん筆の使い方が慣れてきたね。
千坂紗雪アナウンサー:ようやく震えなくなってきました。
松田さんから直接アドバイスをしてもらいながら、作業すること20分。
千坂紗雪アナウンサー:
完成しました。こちら似てますか?
完成したのは私自身をモチーフにした創作こけし。
千坂紗雪アナウンサー:このポニーテール。
松田忠雄さん:なかなかいない、そのような描き方をする人は。
千坂紗雪アナウンサー:オンリーワンのこけしができあがりました。
鳴子温泉郷には松田さんのような職人「こけし工人」が平成初期には100人ほどいたが、後継者不足から現在は30人ほどに。伝統をどう受け継いでいくかも課題となっている。松田さんはこれからも伝統を守りつつ、さまざまなこけし作りに挑戦し、多くの人に「鳴子こけし」の魅力を伝えたいと考えている。
こけしの松田工房 松田忠雄さん:
これからは楽しんでこけしを作っていってもいいのではと思い、いろいろやってみたいと思います。
新型コロナの感染症法上の位置づけも「5類」に移行し、日常が戻ってきつつある。進化を続ける伝統のお土産「こけし」の新たな魅力を探しに来てみてはいかがだろうか。
(仙台放送)