『元JAXA職員のアニメ『プラネテス』酷評投稿に賛否…「野暮」と批判殺到も科学考証求める声』へのみんなの感想まとめ
同作は漫画家の幸村誠氏の同名作品をアニメ化したもので、’03年にBS2で放送され19年ぶりの再放送となる。西暦2075年の宇宙を舞台に、宇宙開発にともなって発生する「デブリ」と呼ばれる宇宙ゴミを回収する業者たちの姿を描いている。アニメのクレジットには取材協力として、JAXAも名前を連ねている作品だ。
1月23日で第3話まで放送されたが、25日に元JAXA職員・野田篤司氏が次のようにTwitterで酷評したのだ(ツイートは全て、原文ママ)。
《今まで見ていなかったので、義務的に再放送を3話目まで見ているのだが 何処が面白いんだ、このアニメ 軌道力学的な考察が無茶苦茶なのは、まだ許せるが、主人公だあろう新人、もし私のところに配属されたら、速攻で、不適格者としてクビだ 宇宙特にEVAを甘く見すぎている》
野田氏のプロフィールによれば、36年間JAXAで勤務し、’21年3月に定年退職。同年9月には人工衛星開発を手がける「Our Stars株式会社」の最高技術責任者に就任しており、同社は実業家・堀江貴文氏(49)が代表取締役社長を務めている。
“同僚”である堀江氏も、野田氏のツイートに反応するかのように《描いた側にはそれが宇宙開発に与える悪影響までは考慮していなかったのでしょう。が、かなりの悪影響を与えています。なんらかの訂正アクションが欲しいところです》とシビアな意見を綴っている。
■原作者が陳謝する事態にまで発展
さらに野田氏は連続するツイートで、《どうやら7話まで我慢したら面白くなると言う助言を頂いたので、7話までは何とか見ようと思う》や《プラネテスの影響で宇宙に対して誤解してる人が多く、実際に宇宙をやっているプロとして迷惑しているので、義務でも何でも最後まで見なくてはと》と主張している。
野田氏のツイートは瞬く間に拡散され、Twitter上では「野暮だ」として批判が巻き起こっている。
《フィクションとノンフィクションの境界を見誤って空想世界にリアルを突き付けるとか非常識》
《フィクションに対して、よくそこまで喧嘩腰になれますね。義務的とか嫌味言うなら、見なければいいじゃないですか》
《マウント取るなよ専門家先生》
さらに原作者の幸村氏もTwitterを更新し、次のように陳謝する事態にまで発展している。
《全くもってプラネテスはフィクションでございまして、ウソばっかりでございます。ありもしない宇宙船、ありもしないデブリ、いもしない人物、未来が舞台のボクの空想でございます。「面白くない」というご感想については、全くボクの力不足で申し訳ございません》
その一方で、“宇宙に対して誤解を与えている”と指摘した野田氏に対して、専門家ならではの科学考証を望む声も上がっている。
《プロに迷惑かかるレベルでこのアニメが影響力あるなら、誤解というやつを説明しても良いのでは あれはあくまでもアニメの話ですよ、実際は~~みたいな解説入れてほしい》
《こういう人にこそ解説してほしい。作者は批判されて言い返す権利があるけど、視聴者としては実際の宇宙との間違いの解説とかめちゃくちゃ聞きたい!》
《「どこが間違っているのか」「どういう問題があるのか」「ここはどうすべきだったのか」を語っていただいたほうが、作家もファンも宇宙開発に興味のある人も皆にとって有意義で、Win-Winになれると思うのです……!》
27日の午後6時過ぎに野田氏はTwitterで、《先日、Twitterにて分をわきまえない不適切な発言をしたことをお詫び申し上げます》と謝罪し、当該ツイートを削除したことも明かしていた。こうしたフィクションにおけるリアリティで双方が納得できる“境界線”は一体どこにあるのだろうか。