京都に新たなレトロカフェ…府庁旧本館、瀟洒な外観にアンティーク食器
旧本館は1904年(明治37年)に完成。カフェは、前庭を見渡せる南東角の一室に設置する。
瀟洒な外観に、内装も負けてはいない。白壁と茶色の腰板や赤いカーペットをそのまま生かし、テーブルやいすの一部は旧知事公舎などで実際に使っていたものだ。一部の家具には「国費所属」というシールが貼ってあり、歴史を感じさせる。
食器は、清水焼や外国製のアンティークを準備。中でも、戦後、日本からの輸出品に明示することをGHQ(連合国軍総司令部)から義務づけられた「Made in Occupied Japan(占領下の日本)」と記された陶磁器もあり、底を光に透かすと芸妓のような顔が浮かび上がるようになっている。
運営は前田珈琲(東山区)で、メニューは「地産地消」を意識し、丹波産の米や宇治の抹茶などを使った飲み物や軽食を提供する。この店のみで味わえる新メニューやモーニング、ランチの提供も検討しているという。
前田珈琲の前田剛社長は「私自身、洋館が好きで、まさか府庁の建物で店ができるとは思っていなかった。やるからには、京都のシンボルとなるような店にしたい」と意気込んでいる。
営業時間は平日午前8時~午後5時。