京都・宇治川「放ち鵜飼」 鵜との強い絆、8年かけ木彫りで表現
◇高さ190センチ、丸太1本彫り
彫刻のタイトルは「宇治川の鵜匠とウッティー・絆」。高さ190センチで、クスノキの丸太を1本彫りした。大岩さんは、2014年に国内で初めてウミウの人工ふ化が宇治で実現したことに感銘を受け、鵜匠自らウを育てる宇治川の鵜飼をモチーフにした木彫りを思い立ったという。
同年秋、ウッティーを飼育する鵜匠の沢木万理子さん(48)に協力を依頼。市観光協会が準備を進める放ち鵜飼への応援として、沢木さんと1羽目のウッティーの写真をモデルに木彫りを始めた。展示場所の問題や新型コロナウイルス禍などで一時作業を中断したが、放ち鵜飼の日程のめども立ったことから、22年春に作業を再開。完成にこぎ着けた。
できあがった作品は、鵜飼装束の女性鵜匠がりりしく優しい表情で立ち、その右手に止まったウッティーが彼女を見上げている構図だ。大岩さんは「ウッティーにとって鵜匠は母親代わり。鵜匠の厳しさと慈しみ、両者をつなぐ絆を、作品を通じて感じてほしい」と話している。
30日まで「茶づな」1階ロビーで展示されている。【鈴木健太郎】