兵庫県内最古の斑鳩寺庫裏 保存修理完了し落慶法要 お幡入れ・法伝哉も奉納
斑鳩寺は、平安時代に法隆寺の荘園「鵤荘(いかるがのしょう)」が置かれた際に荘園経営の中核的存在として建立。西播磨地域における聖徳太子信仰の中心となった。
今回保存修理が行われた庫裏は慶安2(1649)年の建立で、延べ327平方メートル、高さ8・7メートルの大規模な建物。築350年以上が経過し、傾きや傷みなどが進んできたため、初の本格的な修理が平成28年度にスタート。半解体の手法で工事が進められ、並行して文化財調査も行われた。
この結果、建築当初と現在とでは間取りが異なり、仏間の前に2畳の部屋が2室並んでいたことが判明。専門家は「他の天台宗寺院の庫裏にはない配置。同宗派の古い形式だった可能性がある」としている。
合わせて保存修理が行われていた表門と御祈禱(きとう)所の調査でもさまざまな知見が得られた。総事業費約4億5600万円は県と同町、寺院側が3分の1ずつ負担した。
落慶法要は今月20日、聖徳太子の1400回忌法要や住職交代の晋山式と合わせて執り行われ、古谷正覚・法隆寺管長らも参列。新たに就任した前岡靖文・斑鳩寺住職は「聖徳太子の思いを受け継ぎ、寺の護持・発展に努めたい」と抱負を述べた。
境内ではこのあと、町文化財に指定されている「お幡(はた)入れ」や「法伝哉(ほうでんや)」が披露・奉納された。