ガウディが聖堂に託した夢とは。『ガウディとサグラダ・ファミリア展』が東京国立近代美術館で開催
未完成の聖堂、あるいは完成までに百年近い年月を費やした聖堂は、ほかにもある。なのにバルセロナの「サグラダ・ファミリア聖堂」がこれほど人々のロマンを駆り立てるのは、なぜか。聖書をモチーフにした外観の壮大な彫刻群。ステンドグラスを通した光が奏でる色鮮やかな室内。高くそびえる鐘塔は無数の窓を備え、街じゅうに鐘の響きがあふれ出る設計になっている。この聖堂は建築家アントニ・ガウディが目指した、ひとつの総合芸術でもある。
『ガウディとサグラダ・ファミリア展』は、そうしたガウディの芸術観、建築思想、そして聖堂の特異な魅力をつまびらかにするものだ。実はガウディの残したスケッチや模型はスペイン内乱により多くが消失。本展では、彼の意思を引き継いだ人々の創意工夫にも光をあてる。高精細カメラやドローンを使った最新映像も見どころだ。聖堂内を回遊するようなその映像は、聖堂の地下に眠るガウディの夢を映し出しているようだ。
『ガウディとサグラダ・ファミリア展』
会期:2023年6月13日~ 9月10日
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
BY MASANOBU MASTUMOTO