【独占】福岡の新ギャラリーでKYNEの展覧会が開催。作品制作中のアトリエも訪問!
福岡市内から車でおよそ30分、海に面したロードサイド沿いにKYNEのスタジオがある。
「借りたのは3年ほど前ですね。それまでは、薬院で友達とやっている〈ON AIR〉というショップ兼アトリエで、10坪ぐらいの木造アパートの半分のスペースを使って制作していたのですが、大きな作品を作るのが難しくなって。搬入搬出がしやすい場所を探しました。ここは目の前が海で、子どもの頃には1駅向こうに住んでいたこともありました。なので、そんなに遠くに感じませんでしたね」
店舗を改装したというスタジオは約30坪ほどのシンプルな空間で、むき出しになった天井に張り巡らせたダクトレールが目を引く。蛍光灯が並ぶレールは、その上に荷物が置かれたり、あるいは洋服が掛けられたりと機能的にも用いられている。他には、入口で迎えるベアブリック、ネットオークションで購入したたばこ屋のスタンド、プレゼントされたというヴィンテージのゲーム機、そして画材道具がずらりと並ぶ棚とアート関連の書籍や雑誌が並ぶ棚。ここにはKYNEのエッセンスともいうべきものが詰まっているようだ。
スタジオを訪れたのは2022年9月中旬。KYNEは、9月末より福岡市内にオープンするギャラリーで展示する新作の制作に取り組んでいた。“小さな箱”を意味する〈cassette〉と名づけられたギャラリーには、KYNEも運営に参加する。
ビル丸ごと1棟をリノベしたギャラリーは、80年代に建てられたコンクリート建築。地下1階、地上2階の3フロアにわたり、デザイナー・二俣公一が設計を手がけた。
「福岡には、アート作品の展覧会に特化した場所があまりないんです。県外の友人に聞かれることも多かったので、〈cassette〉では東京など他の場所で活動しているアーティストの作品を展示する場にしていければと考えています」