チハルの碁、はじめの一歩[千春&明夏の女流棋士ここだけの話]
はじめに自己紹介をさせていただきます。大阪府出身で関西総本部所属の初段、プロ4年目、18歳、この春、高校を卒業しました。師匠は村松大樹六段です。3人姉妹の末っ子で、性格は、自分では思わないのですが、周りからは真面目と言われます。そしてビビりで心配性です。
趣味は阪神タイガースの試合観戦で、よく家族で甲子園に足を運んでいます。アイドルにも興味があり、今は韓国のオーディション番組「BOYS PLANET」にハマっています。手合後に見ると疲れが吹っ飛び、負けた日でも元気になれます。
今回は、囲碁を始めた頃のお話をしたいと思います。
私が囲碁を始めたのは、幼稚園の年長、6歳のときです。母が、職場の人が囲碁をやっているのを見て、「知的で格好いい」と興味を持ったのがきっかけで、近所の碁会所に4歳上の姉と一緒に通い始め、私はそれについて行っていました。
最初は遊びに行く感覚でしたが、母に聞いた話では、碁会所のおじいちゃん先生が、私が相手の石をたくさん取っているのを見て、「あの子は強くなるよ」と言ってくださり、本格的に囲碁の勉強を始めることになったそうです。
先生はとても厳しく熱心な方で、毎日、碁会所に通うのが当たり前になりました。小学校に入学したあとは仕事が忙しい母の代わりに、下校時間になると先生が自ら、毎日毎日、校門前まで自転車で迎えに来てくださいました。今思えば、先生はお客さんがいるのにお店を空けて迎えに来てくださっていたわけですから、本当に感謝しかありません。
碁会所では実戦重視。基本、ひたすら対局です。先生や自分と同じ棋力の大人のお客さんと夕方から夜の8時ぐらいまで打ち続けました。
師匠である村松六段との出会いもこの碁会所のおかげです。村松先生もこの碁会所によく来られていて、私が小学2年で本気でプロを目指そうと決めた時、母が碁会所の先生にも相談して、弟子入りをお願いしてくれました。