伊東豊雄の5つの公共建築を巡る展覧会が、自身の最新建築で開催。
最新作である〈水戸市民会館〉を設計するにあたり、伊東は東日本大震災や熊本地震の被災地に作ったスペース「みんなの家」を教訓にしたという。自治体からあらかじめ役割を規定された場所ではなく、実際に利用する人々によって自由に作られていく空間であった「みんなの家」。伊東は、公共建築とはそういった多様な空間であるべきだと考えている。展覧会のタイトルは、そんな伊東の思いを表したものだ。
広々とした「やぐら広場」やホワイエ、階段の踊り場など、至るところに自由に過ごせる「余白」のある空間が点在する〈水戸市民会館〉。伊東の理想を体現した最新建築で、彼のこれまでの公共建築の軌跡を振り返ってみたい。
〈水戸市民会館〉1階「やぐら広場」茨城県水戸市泉町1-7-1。~2023年10月9日。8時30分~22時。無休。入場無料。主催:公益財団法人水戸市芸術振興財団、共催:水戸市民会館。