「放浪記」読みながら味わって 林芙美子にちなんだサイダー発売へ
「尾道文学サイダー 林芙美子編」。「文学のまち・おのみち」を観光客に広く知ってもらおうと企画した。売れ行きが良ければ、若き日に尾道に居を構えた志賀直哉編も発売する。
「めし」は51年の大阪を舞台とした長編小説で「あられのようにハジキかえるサイダーの小さい泡」などの描写が登場する。森本さんは同年代のサイダー製造機を使ってレモン味とリンゴ味の2種類を試作。2022年5月に同県福山市の高齢福祉施設のお年寄り20人に飲み比べしてもらったところ、「リンゴ味の方が懐かしい」との声が圧倒的だったという。翌月開かれた、林をしのぶ「あじさいき」での試飲会でも「売ってほしい」など好評だったため、リンゴ味での商品化を決めた。
現在主流の液糖の代わりに上白糖を使用しており、酸味が強く、炭酸は弱め。ラベルには林のイラストや著作の装丁をあしらった。森本さんは「林の『放浪記』を読みながら味わってほしい」とPRしている。
200ミリリットル入り380円。備後地域の書店「啓文社」7店でも販売する。後藤鉱泉所(0848・44・1768)。【渕脇直樹】