雑賀崎の景観いつまでも コンペ最優秀賞作を絵本に 和歌山
和歌山市雑賀崎が舞台で、レトロな理髪店と、春と秋の彼岸の中日、海に沈む夕日を眺める風習「ハナフリ」を巡る物語。コンペ受賞作から、改めて物語や絵について、描き方を変えたり、描いていなかった場面を加えたりし、練り上げていったという。モデルとなった理髪店をはじめ、雑賀崎の街並み、坂道、灯台などが、実際に歩いた確かな取材に基づく空気感たっぷりに美しく描かれ、主人公の女の子「ふうちゃん」と祖父母の交わりを叙情豊かなものにしている。
毎日新聞和歌山版でイラストコラム「カントリースケッチ」を連載しているすけのさん。「ハナフリ」について、さまざまな体験談を何度も読み返した。「それぞれの体験が違うからこそ、場面を描けるのでは」との思いに至ったという。
出版を記念し、4月1~7日は有田川町のちいさな駅美術館、4月28日~5月5日には海南市の旧田島うるし工場にある書店「オールドファクトリーブックス」で原画展が行われる予定。共に午前10時~午後4時、入場無料。【最上聡】