日本科学未来館の特別展「動画クリエイター展」でYouTuberたちの動画制作に迫る
動画投稿サイト「YouTube」を中心に、動画コンテンツを投稿する動画クリエイター(YouTuber)。本展は、若年層を中心に大きな影響力を持つ動画クリエイターたちの制作に焦点を当てた初の大型展覧会となる。
本展に参加するのは、バーチャルYoutuberのおめがシスターズ、ダイエットやメイク動画を配信する鹿の間(しかのま)、ボイストレーナーのしらスタ、授業動画を手がける葉一(はいち)、オールジャンルで動画をつくるはじめしゃちょー、ティーンクリエイターのひまひま、パフォーマンス集団のフィッシャーズ、ゲーム実況者のポッキー、料理研究家のリュウジの9組。いずれもチャンネル登録者数の多さとともに、独自の特徴あるコンテンツを制作してきたクリエイターだ。
展覧会は「爆誕」「傑作」「体験」の3部構成となっている。「爆誕」では日本にインターネットが登場したとされる1995年から現代までのソーシャルメディアの変遷をたどり、動画クリエイターの台頭の経緯を探る。
会場のパネルではADSLの普及とともにネット掲示板で個人が情報発信をし始めた00年代中盤や、SNSが創作の発表の場になった00年代後半、双方向のコミュニケーションが主流になっていく10年代後半など、各時代におけるインターネットのムーブメントをトピックごとに追うことができる。
「傑作」では、9組のクリエイターの活動を裏側を紹介する9つのブースを設置。各クリエイターの展覧会限定動画やインタビュー映像を上映するとともに、1日の生活リズムや象徴するアイテムや私物を展示する。
例えばダイエットやメイク動画を配信する鹿の間のブースでは、本人の動画の情報のみならず、リングライトが用意された机の上で撮影を楽しむことも可能だ。
料理研究家リュウジのブースではキッチンを再現。ボイストレーナーのしらスタは自身の使用する機材を展示するなど、情報と体験の両面から各クリエイターに迫るものとなっている。
そして「体験」では、全7つのブースで来場者が動画制作の体験をすることが可能だ。ゲーム配信者のぽっきーがつくったゲームで実際にゲーム実況を体験できるブースや、おめがシスターズが考案した3DモデルでVTuberになりきれるブース、はじめしゃちょーのカット編集のテクニックを体験できるブースなどが用意されている。
誰もがつくり手になれる時代に、動画という切り口でクリエイターの制作活動を分析しながら、その楽しみを広く知らしめる展覧会となっている。