国宝《油滴天目》も東京に。泉屋博古館東京が「大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」を開催
大阪市立東洋陶磁美術館の中核をなしているのが、安宅産業株式会社の安宅英一(1901~1994)によって収集された961件の東洋陶磁コレクションだ。国宝《飛青磁
花生》や《油滴天目
茶碗》に代表される優れた中国陶磁143件と、高麗・朝鮮時代を代表する作品を数多く含む韓国陶磁791件を中心に構成されている。本展は、この安宅コレクションから国宝2件、重文11件を含む名品101件を選び、珠玉の東洋陶磁を紹介するものだ。
展示は4部構成を予定。第1章「珠玉の名品室」では、安宅コレクションを代表する名品を紹介。茶の湯的な美意識や近代以降の新たな鑑賞陶磁や民芸的な美意識を超えた、安宅英一の審美眼が紹介される。
第2章「韓国陶磁室」は安宅コレクションの中でも質、量ともに世界有数のコレクションである韓国陶磁を展示。高麗時代の《青磁陽刻 牡丹蓮花文
鶴首瓶》や、朝鮮時代の逸品《粉青鉄絵 蓮池鳥魚文 俵壺》など、各時代を代表する名品が並ぶ予定だ。
第3章「中国陶磁室」では、宋、元、明時代を中心とする中国陶磁を紹介。昭和40年代に入手した鴻池家伝来の国宝《飛青磁 花生》、酒井家伝来の国宝《油滴天目
茶碗》、加賀前田家伝来の重要文化財《木葉天目 茶碗》といった伝世の茶の湯の名品のほか、北宋時代の宮廷用の汝窯青磁や各名窯の優品なども見どころとなる。
第4章「住友コレクションとの競演」では、住友コレクションの中国絵画の国宝《秋野牧牛図》や、高麗仏画の重要文化財《水月観音像》(展示替えあり)と、安宅コレクションが共演することになる。