若き「鬼の副長」土方歳三の胸像完成、信念宿す目力…「近藤さんの傍らに建つことを一番喜んでいると思う」
新選組は1863年に壬生の地で結成。寺の門前に駐屯地があり、境内で兵法の訓練をしたとされる。寺には壬生塚があり、隊士11人の墓碑などがある。土方は東京・日野市で生まれ、新選組では京都市中の護衛にあたった。新政府軍との戦いで各地を転戦後、函館で戦死した。
土方像は近藤像近くに設置。ブロンズ製で高さ、幅各75センチ。写真などを基に「鬼の副長」の異名をとった京都時代の和装の若き土方をイメージしたという。
寺や、新選組の羽織をあつらえたとされる百貨店・大丸京都店などが像建立委員会を作り、アニメや映画のフィギュアで知られる立体造形家タナベシンさん(50)に制作を依頼した。資金はクラウドファンディング(CF)で募り、1271人から約2100万円を集めた。
開眼法要には約30人が参列。土方の子孫で土方歳三資料館(日野市)館長の土方愛さん(52)は「新選組がお世話になった壬生寺に、生涯支え続けた近藤さんの傍らに像が建つことを、何より歳三さんが一番喜んでいると思う」と語り、壬生寺の松浦俊昭貫主は「目力があり、固い信念がうかがえる。ご寄付をいただいた方々の思いを引き継ぎ、壬生の地で新選組の慰霊と顕彰に努めたい」と話した。