星野道夫作品、時を超え愛され 都写真美術館で150点展示
星野さんは、野生動物の姿に迫った写真に加え、優しい人柄を反映した著書で人々を魅了した。しかし、1996年、ロシア・カムチャツカ半島で取材中にヒグマに襲われ、43歳で亡くなった。今年は生誕70年に当たる。
会場では、群れにはぐれてさまようカリブー、夕焼けで赤く染まる北米最高峰のデナリ(標高6190メートル)や先住民の暮らしなど約150枚の写真やアラスカの村長とやりとりした直筆の手紙が展示され、著書から引用された言葉も紹介されている。
大田区の女性(61)は「ロシアのウクライナ侵攻や物価高など暗い話題が多い。作品に触れ、心が穏やかになった」と話した。
20日には、星野道夫事務所代表の星野直子さんと写真家、大竹英洋さんが対談。「命のつながりを大切にした作品だからこそ、時を超えて愛されている」などと語り合った。
来年1月22日まで。入場料は一般1000円など。休館日は都写真美術館(03・3280・0099)。問い合わせは主催するクレヴィス(03・6427・2806)。【田中泰義】