MINIとポール・スミスがコラボ! 秋、東京で2台の電気自動車をお披露目する。
ポール・スミスとMINIが「自動車製造における持続可能性」という目標を掲げ誕生したのが《MINI STRIP》と《MINI Recharged》という2つの電気自動車だ。
《MINI STRIP》はミース・ファン・デル・ローエの「Less is more」やルイス・サリヴァンの「形態は機能に従う」という伝統的なデザイン理念に従い、MINI・クーパーSEの形状はそのままに、絶対不可欠なコンポーネントのみを残すことで、ミニマルで持続可能な車両へと再構築したプロジェクト。インテリアは、ポール・スミス自身によりリデザインされ、リサイクルした素材やリサイクル可能な材料のみを使っている。車の内装によく用いられるレザーやクローム・メッキは一切使用せず、シートにはニット素材、ドア内側のハンドルには登山用のロープが用いられ、鮮やかなブルーを基調に、ネオンカラーをアクセントに。外装同様、ステアリング・ホイールやパーツ類は、簡単に交換や再生できるようにむき出しの状態で仕上げられているが、無骨になり過ぎずポップでラグジュアリーなのは見事。
一方《MINI Recharged》プロジェクトは、MINIのパートナーであるRecharged Heritage Limitedのエンジニアと協業し、ガソリンエンジン搭載のクラシックMINIをエミッションフリーの電気自動車に改造するというもの。今回は、ポール・スミスが所有する《1998 MINI Paul Smith Edition》を電気自動車化し、アップサイクルしたクラシックMINIが誕生した。ちなみに、《1998 MINI Paul Smith Edition》は1998年に発売されたMINIとポール・スミスのコラボレーションにより誕生した車両だ。
ポール氏がオリジナルカーをデザインしていた当時に着用していたシャツの生地の色にインスパイアされたブルーの外装はそのままに、《MINI STRIP》同様、必要以上のディテールは取り除かれ、ダッシュボードにはスピードメーターとスマートフォン用スタンドを備える。内燃エンジンは取り除かれ、代わりに電気モーターとバッテリーが搭載されている。
このプロジェクトでは、クラシックMINIの発明者であるアレック・イシゴニスのアイデアも継承している。「最小限の燃料と、最大限の収納スペース」というコンセプトの元、1959年当時の石油危機に対応するため、エンジニアたちはクラシックMINIを開発した。気候変動やエネルギー危機の問題を抱えている現在、このコンセプトは現代の自動車製造にとっても重要な意味を持っているといえるだろう。古いものと新しいものとの融合は、ポール・スミスが長年に渡り得意としてきたことのひとつ。ポール・スミスとMINIの目指すものがぴったり重なり、《MINI Recharged》は完成した。