人気まんが『はぐちさん』作者が語るプロへの道「悩んでTwitterに投稿したら…」〈dot.〉
子どものころ、誰しも一度は好きなキャラクターの絵をかくことに夢中になった経験があるだろう。その延長線上でまんが家という職業に憧れを抱いたとしても、プロデビューできるのはほんの一握りだった。現在も、狭き門であることは間違いないが、かつてに比べるとプロのまんが家へと続く道は増えていると言っていい。
7月に刊行された『キャラとストーリーがもっとつくれる!まんがのかき方パーフェクトBOOK』はまんが家を夢見る子どもたちに向けて、おもしろいまんが作りの核となる「ネーム作り」のコツを丁寧にレッスン。四つの例題でストーリーの展開のさせ方を学ぶことができる。別冊付録には、なぞったり描き足したりできるオリジナルの原稿用紙も収録。プロの漫画家インタビューもあり、子どもの「やってみたい」を刺激する構成となっている。
夏休みを前に、今回はこの本に収録されているまんが家くらっぺさんへのインタビューを公開したい。くらっぺさんは、不思議な生き物「はぐちさん」とOL八千代のちょっと変わった日常を描いた『はぐちさん』(祥伝社)の作者。「厳しい世界だ」という親の言葉に、自分がまんが家になるのは無理だと思い込み、一度は就職。でも、子ども時代からの憧れは捨てられなかった。くらっぺさんを人気まんが家にしたきっかけは、Twitterへの投稿だった――。
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――くらっぺ先生が、はじめてまんがをかいたのはいつですか?
小学2年生のころ、兄がノートにかいていたのをマネしてかいたのが最初です。私は3兄弟の末っ子で、2人の兄も、小さいころは夢中になって絵をかいていたのですが、年齢が上がるにつれて2人とも絵をかかなくなり、自分だけが何歳になってもかき続けていました。