Tiktok再生回数350億超! 魔女の魔法に呪文詠唱に…米国で人気急上昇の「ペイガニズム」とは
「多種多様なペイガニズムを、ひとくくりで説明することは困難です」と、作家で米カリフォルニア州立大学チコ校の比較宗教学の教授でもある、サラ・パイク氏は言う。「ペイガンは自然界を聖なる場所と見ています。すべてのものは相互につながっており、人、自然、霊的存在は生命のつながりの一部であると考えているのです」
本来「ペイガン」はユダヤ教もキリスト教も信奉せず、多くの場合、ギリシャ、ローマ、エジプト、スカンディナビア、アイルランドなど、古代の文化が根付く地域に暮らしていた人々を指す言葉だった。「古代のペイガンは自分たちをペイガンと呼ぶことはなく、特別な集団に属しているとも考えていませんでした」と米カリフォルニア大学サンディエゴ校の歴史学の教授であるエドワード・ワッツ氏は言う。
何世紀にも及ぶ迫害の結果、ペイガニズムは社会の片隅でひっそりと信仰されていた。しかし1960年代に入ると、窮屈な社会規範に反発する人々にとって魅力的な宗教となった。この10年の間にはショート動画投稿アプリTikTokが台頭し、魔女の魔術をはじめペイガニズムに関連する動画に付けられる #witchtok は今や視聴回数が350億を超える人気のハッシュタグになっている。また「サブリナ:ダーク・アドベンチャー」「ヴァイキング」「スーパーナチュラル」「アメリカン・ホラー・ストーリー:魔女団」といった人気テレビ番組も、精神世界への関心を高めるのに一役買っている。