尾上右近さんら奉納舞 京都銘菓「八ツ橋」由来、検校しのび法要
近世箏曲の祖、八橋検校が1685年に亡くなった後、琴の形のせんべいを焼いたのが「八ツ橋」の始まりという説があり、命日に法要を行っている。
菩提(ぼだい)寺の金戒光明寺内にある常光院(左京区)では、井筒八ツ橋本舗(右京区)の「八橋祭」があった。参列者は検校の肖像に手を合わせ、箏曲も奉納された。津田佐兵衛・会長兼社長は「検校に感謝し、心と力を合わせて京都の発展に役立ちたい」と述べた。
法然院(左京区)では聖護院八ツ橋総本店(同区)による「八橋忌」が営まれた。法要では、歌舞伎俳優の尾上右近さんらが舞踊などを奉納し、参列者を魅了した。全社員で検校の墓に参ったといい、鈴鹿且久社長は「八橋の名前をいただかなければ、この商売はできない。新型コロナ禍が落ち着き、多くの人を法要に招くことができた」と検校をしのんだ。【野上哲、水谷怜央那】