川内倫子の日々 vol.28「つぎのはじまり」
そして本番。思ったよりもたくさんの催しものを先生たちが企画してくださり、とても充実した内容の式となった。
自分の両サイドに座っていた同級生のおかあさんたちは終始目頭をハンカチで抑えていらしたが、自分は撮影するのに集中してしまい、自分でも意外なほど落ち着いていた。
終わったあと、娘にも「泣かなかったね、なんで?」と言われてしまい、撮影に忙しかったからじゃないかなと言った。
同業者の友人たちにそのことを話すと、自分もまったく同じだと言う。皆学校や保育所の行事ごとは撮影に集中してゆっくり見られないし、感慨にふける余裕もないと言ってうなずきあった。