1つの人形を3人で操る人形浄瑠璃 伝統受け継ぐ若き後継者「多くの人に感動を」…いざ初舞台【長崎発】
海に囲まれている長崎県で唯一海がない町、東彼杵郡波佐見町。400年以上の歴史がある波佐見焼は、比較的安価ながらも、モダンで時代のトレンドに寄り添った日常食器として全国的に人気が高い。
1つの人形を3人の男性が息を合わせて操り、喜怒哀楽を表現する「皿山人形浄瑠璃」は、波佐見町の皿山地区に江戸時代から伝わる伝統芸能だ。
毎年8月、皿山大神宮の夏越祭りで五穀豊穣や家内安全などを祈願し、奉納されている。「二人三番叟(ににんさんばそう)」は、人形浄瑠璃の代表的な演目の一つだ。
皿山地区は人口381人の小さな町(2022年6月30日時点)。波佐見町を代表する窯場で、レンガ造りの煙突が今も残っている。
保存会のメンバーは、35歳から80歳までの15人。新型コロナの感染拡大の影響で中止となり、2022年10月に3年ぶりに行われる鑑賞会に向けて、6月から週2回の稽古を行ってきた。
皿山人形浄瑠璃保存会 福田学会長:
これが人形の仕組み。これに衣装をかぶせて人形が動いている。かしら(人形の頭部)をさして、右手遣い、左手遣い、ここに足が付いて、これを3人で動かす
ーー3人の息をあわせないといけないですね
皿山人形浄瑠璃保存会 福田学会長:
そうそう、人形が動かない。3人の呼吸が大変なのよ
「皿山人形浄瑠璃」の歴史は古く、約290年前の江戸時代、享保の飢饉の時、飢えをしのぐために興行で食糧を得たことが始まりといわれている。
皿山人形浄瑠璃保存会 福田学会長:
これが一番古い明智光秀のかしら。これも動かん、引っ張るとコクンと動くが、もう動かない
ーー何年前くらいのものですか?
皿山人形浄瑠璃保存会 福田学会長:
これは昭和はじめくらいじゃないか